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シチズン プロマスター ランドのムーヴメントU822の評価とMIP液晶の魅力

シチズンのプロマスター ランドに搭載されたムーヴメントU822、2024年の新作として登場して、今すごく注目されていますよね。プロマスター35周年記念モデルもラインナップされていて、私も発表された時「これは!」と思いました。

ところで、この「U822」って、なんだか型番みたいですけど、これが実はこの時計の心臓部、新しく開発されたムーブメント(機械)の名前なんです。そして、このU822ムーブメントが、従来の時計とは全く違う「MIP液晶」っていう凄いディスプレイを搭載しているのが、最大のポイントなんですね。

ただ、いざこの時計を調べ始めると、情報がちょっと複雑で…。「MIP液晶って実際どうなの?評価は?」「デザインがゴツいけど、一部でダサいって声もある?」「シチズンのランド アナデジといえば『PMD56-2952』っていう超人気モデルがあるけど、それとは何が違うの?」「もしかして電波時計じゃない?」「プロトレックみたいに高度計は?」…こんな風に、歴代モデルや限定モデルとの違いがゴチャゴチャして、分かりにくくなっていませんか?

この記事では、そんなあなたのモヤモヤをスッキリ解消します。この新しい「U822」ムーブメントの本当の凄さと、皆さんが一番知りたい「PMD56」や「プロトレック」との決定的な違い、そして購入前の注意点まで、徹底的に解説していきます。

最後まで読んでいただければ、シチズン プロマスター ランド U822が、あなたの使い方にとって本当に「買い」なのか、自信を持って判断できるようになりますよ!

シチズン プロマスター ランドのムーヴメントU822の評価とMIP液晶の魅力
記事のポイント
  • U822の最大の武器である「MIP液晶」の圧倒的な凄さ
  • 超人気モデル「PMD56」との決定的な違い(電波・チタンの有無)
  • カシオ「プロトレック」との機能的な棲み分け(センサーの有無)
  • 購入前に必ず知るべきメリットと重大な注意点(デメリット)

シチズン プロマスター ランド U822の核心。MIP液晶の魅力

まずは、この「U822」というムーブメント、あるいはそれを搭載したJVシリーズが、一体どんな時計なのか、その核心的な魅力から見ていきましょう。従来のシチズンのアナデジとは、コンセプトからして一線を画す特徴を持っていますよ。

明るい屋外の岩場に置かれたシチズン プロマスター ランド U822。MIP液晶ディスプレイが高い視認性を示している。

新作U822とは?35周年記念モデルも

まず押さえておきたいのは、冒頭でお話しした通り、この「Cal.U822」が2024年に発表されたばかりの、全く新しいアナデジ・ムーブメント(キャリバー)だということです。

シチズンの「プロマスター」は、陸・海・空、それぞれのプロフェッショナルのための厳しい環境基準をクリアする、信頼性の高いスポーツウォッチブランドです。U822は、その中の「LAND(陸)」カテゴリー向けに、35周年という節目の年に、まさに「記念碑的」なモデルとして投入されました。

そして、この新キャリバー「U822」を搭載して華々しくデビューしたのが、「JVシリーズ」と呼ばれるモデル群(JV1005-02Wなど)なんですね。プロマスター35周年を記念する限定モデル(カモフラージュ柄のJV1008-63Eなど)も、このJVシリーズに含まれます。

重要なのは、これがこれまで同カテゴリーで絶大な人気を誇ってきたPMD56シリーズ(後で詳しく比較します)とは、全く異なるコンセプトで開発された、グローバル市場向けの戦略モデルだということです。その戦略の核となるのが、ダイヤル上半分(10時〜2時位置)に大胆に配置された、新世代のデジタルディスプレイです。

強い直射日光の下、日本人男性の腕でシチズン プロマスター U822のMIP液晶がはっきりと読み取れる様子。

圧倒的視認性。MIP液晶の評価

U822の最大の「ウリ」、それは新開発の「MIP(Memory-in-Pixel)液晶」を採用したことです。これが、従来のどのアナデジウォッチとも違う、U822の評価を決定づける核心部分です。

これまでの多くのデジタル時計(電卓のような数字表示)は「セグメント液晶」と呼ばれるもので、決まった形の線でしか数字や記号を表示できませんでした。一方、MIP液晶はスマートウォッチの画面のように、ピクセル(画素)で情報を描画します。これにより、非常に高解像度(U822は120×48ピクセル)で、滑らかかつ多彩な表示が可能になりました。

このMIP液晶の技術的なメリットは、フィールドウォッチにおいて計り知れないほど大きいです。

1. 圧倒的な屋外視認性

MIP液晶の最大の強みは、屋外の強い直射日光の下でこそ、コントラストが上がって非常によく見えるという点です。光を反射させて表示するため、光が強ければ強いほどハッキリと見えるんですね。

従来の液晶が日光下で「黒つぶれ」して見えにくくなるのとは、真逆の特性です。これは、登山やキャンプ、釣りといったアウトドアシーンで使うフィールドウォッチとして、最強の武器だと思います。

2. エコ・ドライブとの抜群の相性(低消費電力)

MIPは「メモリー・イン・ピクセル」の名の通り、一度表示した画素を保持(メモリー)する限り、電力をほとんど消費しません。消費電力は画面を更新する(例:秒が変わる)瞬間のみに発生します。

これが、シチズンの基幹技術である光発電「エコ・ドライブ」と組み合わせることで、高解像度ディスプレイと長時間駆動(パワーセーブ時で最大3.5年)という、本来ならトレードオフの関係にある2つの要素を見事に両立させています。

さらに、この高解像度を活かして、単なる時刻表示だけでなく、過去7日間の発電履歴をグラフで視覚的に確認できる「ライトレベルインディケーター」といった、ガジェット的な面白さも搭載しています。

「今日はどれだけ発電できたかな」と確認できるのは、シチズンが「エコ・ドライブ」という技術に絶対の自信を持っていることの表れでもありますね。

シチズン プロマスター U822のクローズアップ。重厚なステンレスケースの質感と、傷のないサファイアクリスタルの風防。

デザインはダサい?外装と堅牢性

「シチズン プロマスター ダサい」という関連キーワードもあって、デザインを気にされる方もいるかもしれませんね。こればっかりは個人の好みが大きいですが、私の見解としては「ダサい」とは全く思いません。むしろ、「目的が明確なツール」として非常にカッコいいと感じます。

確かに、デザインには明確な特徴があり、これが評価の分かれ目になっています。

  • ケースサイズ: 横43.9mm / 厚み14.5mmと、かなりの大型・肉厚サイズです。
  • デザイン: タフなギア感を前面に出した、かなり武骨なスタイル。リューズやプッシャーのナーリング加工(ギザギザ)も、道具感を強調しています。
  • 素材: G-SHOCKのような樹脂製ではなく、ステンレススチールの重厚感を活かした「ツール(道具)感」が強いんですね。

この「ゴツさ」「重さ」が、安価な時計にはない存在感と信頼感を醸し出しています。この武骨さが「ダサい」と感じるか、「プロの道具感があってカッコいい」と感じるか、ですね。正直、このデザインでスーツやフォーマルな場に行くのは難しいでしょう。TPOを選ぶデザインであることは間違いありません。

そして、デザイン以上に注目すべきは、その外装スペックです。ここにU822の「プレミアム・フィールドウォッチ」たる所以が詰まっています。

U822モデルの堅牢スペック(G-SHOCK標準機との比較)

  • 風防(ガラス): サファイアクリスタル(無反射コーティング)
  • 防水性: 200m(20気圧)防水

これがどれだけスゴイかというと、競合となるカシオのG-SHOCKやプロトレックの多く(特に同価格帯の標準モデル)は、風防が「ミネラルガラス(無機ガラス)」なんです。ミネラルガラスも十分強いですが、硬い岩場などで擦ってしまうと、どうしても傷は入ってしまいます。

アウトドアでガンガン使って、岩や枝に擦れる可能性が最も高い風防に、高級時計で使われる傷に強いサファイアクリスタルを採用している。これは非常に大きなアドバンテージです。G-SHOCKでサファイアガラスが採用されるのは、MT-GやMR-Gといった、かなり高額な上位ラインに限られることが多いですからね。

さらに、防水性もダイバーズウォッチ並みの200m防水性能を備えています。「LAND」カテゴリーの時計でありながら、海での使用にも耐えうるオーバースペック。この安心感がプロマスターの真骨頂ですね。

暗闇の中で、シチズン プロマスター U822の針とインデックスが青と緑の強力な夜光で明るく光っている様子。

U822のメリットとデメリット(評価)

さて、U822の魅力と外装の強さを見てきましたが、もちろん完璧な時計ではありません。購入後に「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、実際のユーザーレビューなどから見えてくるメリットと、特に知っておくべきデメリット(注意点)を正直にまとめます。

メリット①:MIP液晶と強力な夜光による「24時間視認性」

U822の最大のメリットは、これに尽きます。日中はMIP液晶が最強の視認性を発揮し、暗所ではアナログ針とインデックスに塗布されたブルーとグリーンの2色を使った強力な夜光(ルミブライト)が、抜群の見やすさを提供します。

「夜光が格別だ」「日中でも光って見えるほど強い」という評価は非常に多く、まさに「24時間いつでもどこでも見やすい」という、時計本来の機能を突き詰めたモデルだと言えますね。

メリット②:「サファイア+200m防水」のオーバースペックな堅牢性

前述の通りですが、G-SHOCKの標準機よりワンランク上の「プレミアムな外装」は、所有する満足度にも繋がります。「ミネラルガラスだから傷が…」と気を遣う必要がないのは、精神衛生上とても楽です。日常使いからハードなアウトドアまで、文字通り「どこにでも連れて行ける」という圧倒的な安心感は、大きなメリットです。

ここからは、購入前に必ず知っておくべき、U822の「仕様上のクセ」、すなわちデメリットです。

デメリット①:【最重要】リアルタイム計測できないクロノグラフ

U822のクロノグラフ(ストップウォッチ)機能には、重大な仕様上の制約があります。それは、計測作動中、MIP液晶の表示は「Running」という文字が表示されるだけで、リアルタイムの計測タイムはデジタルで表示されない、ということです。

計測タイムは、ストップ(停止)した後にのみデジタルで確認できます。一応、小さなアナログのサブダイヤルでも計測はされますが、小さすぎて瞬時に読み取るのは困難です。

これは「仕様」であり、恐らくMIP液晶の常時書き換えによる電力消費を抑えるため、あるいはムーブメントの処理能力の兼ね合いだと思われます。

いずれにせよ、リアルタイムでラップタイムを確認したい人には絶対に向いていません。この点は購入前に必ず受け入れる必要があります。

デメリット②:CORDURA®ストラップの「硬さ」問題

特にJV1005-02W(グリーンモデル)に採用されているCORDURA®(コーデュラ)ナイロンストラップは、海外のレビューで「硬すぎる(too stiff)」「ゴワゴワして腕に馴染まない」という報告が複数あります。

耐久性は非常に高い素材なのですが、その分、腕に馴染むまでに相当な時間がかかるか、あるいは馴染まない可能性もあります。多くの方が、早々に見切りをつけて快適なNATOストラップやウレタンバンドに交換しているようです。ストラップ交換を前提に考えるのも一つの手ですね。

デメリット③:人を選ぶ「サイズ感」と「重量感」

これはメリットの裏返しですが、44mmのステンレスケース、100gを超える重量(モデルによる)は、やはり人を選びます。小ぶりな時計が好きな人、軽い時計を求めている人には「大きすぎる」「重すぎる」と感じられる可能性が高いです。

また、この厚み(14.5mm)だと、冬場にシャツやアウターの袖口に引っかかることは確実です。この「武骨さ」を許容できるかどうかは、大きなポイントになります。 ¨C49C ¨C50C

シチズン プロマスター ランド U822の疑問点を徹底比較

U822の魅力と注意点がわかったところで、次はこのモデルを検索する人の「最大の疑問」を解消していきましょう。多くの人が混同している「PMD56」や、競合の「プロトレック」と何が違うのか、ハッキリさせていきます。

大型のシチズン U822(左)と、小型のシチズン PMD56-2952(右)を並べ、ケースサイズとデザインの違いを明確に比較した画像。

PMD56-2952との違いは?電波時計?

結論から言うと、シチズン プロマスター ランド U822(JVシリーズ)は、電波時計ではありません。そして、チタン製でもありません。

この誤解が生まれる最大の原因は、同じ「プロマスター ランド アナデジ」カテゴリーに、日本国内で絶大な人気を誇る超ロングセラーモデル「PMD56」シリーズ(例: PMD56-2951, PMD56-2952)が存在するからです。「シチズン ランド アナデジ」と聞けば、多くの人がこのPMD56を思い浮かべるでしょう。

PMD56(キャリバーH100)は、U822とは全く異なる特徴を持つ、JDM(日本国内市場)モデルとして独自の進化を遂げたガラパゴス的な傑作です。

  • 国内専用の電波受信機能を搭載した「電波時計」
  • 素材はシチズン独自の「スーパーチタニウム」(軽くて傷に強く、肌に優しい)
  • ケース径39.0mmと、非常に小型・薄型・軽量
  • デジタル表示は従来型の「セグメント液晶」(2カ所)

U822とPMD56は、同じ「ランド アナデジ」でありながら、コンセプトが全く正反対と言ってもいいほど異なります。U822は、大型ケースやMIP液晶の先進性を好む「グローバル市場」のニーズに応えたモデルなんですね。両者の違いを表にまとめると、一目瞭然です。

比較項目U822 搭載モデル (JV1005)PMD56 搭載モデル (PMD56-2951)
電波受信機能なし(月差±15秒)あり(国内専用電波)
デジタル表示MIP液晶(高解像度・グラフィカル)セグメント液晶(従来型・2窓)
ケース素材ステンレススチールスーパーチタニウム(デュラテクト)
ケースサイズ横 43.9mm / 厚 14.5mm (大型・重厚)横 39.0mm / 厚 11.4mm (小型・軽量)
風防サファイアクリスタル(無反射)球面サファイアクリスタル(無反射)
主な市場グローバルモデルJDM(日本国内)モデル

「時刻の正確性を自動で維持したい」「軽くてタフなチタンが良い」「小ぶりなサイズが良い」という方はPMD56。「デジタル表示の圧倒的な見やすさ、先進性」「大型ステンレスの存在感」を求めるならU822、という明確な選択基準になります。

高度計はなし?プロトレックと比較

次の疑問は「センサー機能」ですね。「ランド」という名前やアナデジのデザインから、カシオのアウトドアウォッチ「プロトレック」のような機能を期待する方もいるかもしれません。

結論:U822には、高度計(Altimeter)、気圧計(Barometer)、温度計(Thermometer)といった、いわゆる「ABCセンサー」は一切搭載されていません。

U822の「コンパス」機能の正体

U822の仕様にある「コンパス」機能は、電子コンパス(センサー)ではありません。これは、8時位置のリューズを使って手動で回転させる「インナーベゼル(簡易方位計)」のことです。

北半球では、アナログの時針を太陽に向け、12時位置と時針の(短い方の)中間点が「南」を示します。その「南」に、インナーベゼルの「S」を手動で合わせることで、他の方位を読み取る…という、昔ながらの機能です。あくまで「簡易的」なもので、磁北を指す電子コンパスとは全く別物ですね。

U822の設計思想:センサーの「トレードオフ」

シチズンは、プロトレックとは異なる戦略を取りました。センサー機能でカシオに(あえて)挑むのではなく、「ABCセンサーに割くべきリソース(コスト、バッテリー消費、内部スペース)」を、全て別のところに振り分けたんです。

それが、「① MIP液晶による圧倒的な視認性」「② サファイアクリスタル+200m防水によるプレミアムな堅牢性」という、「時計本来の性能」です。

「何でもできる多機能」を目指すのではなく、「フィールドウォッチとしての核(見やすさ、タフさ)」を極限まで高めたモデル、それがU822なんです。シチズンが「センサー」ではなく「視認性と外装」という別の土俵で勝負を仕掛けてきた、と考えると面白いですよね。

したがって、「登山で山の高度や天候の変化を計測したい」ならプロトレック。「タフで、とにかく時刻が見やすい時計が欲しい(センサーは不要)」ならU822、という非常に分かりやすい棲み分けができます。

限定モデル含むU822ラインナップ

U822のキャラクターが分かってきたところで、具体的にどんなモデルがラインナップされているのか見てみましょう。2024年のローンチ時点では、主に以下の3モデルがグローバルに展開されています。

JV1005-02W(標準モデル・グリーン)

フォレストグリーンのダイヤルに、オリーブグリーンのCORDURA®ナイロンストラップを組み合わせた、最もミリタリーテイストが強いモデルです。U822のイメージカラー的存在ですね。武骨なルックスを求めるなら、これが一番「らしい」選択かもしれません。ただし、前述の通りストラップは硬めとの評価があります。

JV1007-07E(標準モデル・ブラック)

こちらは王道のブラックダイヤルに、ブラックIP(イオンプレーティング)加工が施されたステンレスケース、ブラックのポリウレタンバンドを合わせたモデル。全体がブラックで引き締まった印象になり、ツール感が際立ちます。ウレタンバンドなので、ストラップの硬さを気にする必要もありませんし、汗や水にも強いので実用性も高いですね。

JV1008-63E(35周年記念限定モデル)

プロマスター35周年を記念した、世界限定5,900本のモデルです。ダイヤルとベゼルにカモフラージュ(迷彩)柄があしらわれているのが最大の特徴。ケースはグレイIP、ブレスレットはステンレス製となり、標準モデルとはまた違った迫力があります。コレクターズアイテムとしての側面も強いモデルです。

MIP液晶を搭載したシチズン プロマスター U822(左)と、レトロなデザインのセイコー アーニー(右)を並べて比較した画像。

セイコー アーニーとの競合比較

プロマスター ランド U822を検討する上で、もう一つ忘れてはならない強力な競合がいます。それは、セイコー プロスペックスの“Arnie”(アーニー)の愛称で知られる、ソーラーアナデジモデル(SNJ031やSNJ025など)です。

アーニーも「ソーラー」「アナデジ」「200m防水」「タフなデザイン」という、U822と非常に似た要素を持っています。映画で着用されたという歴史的な背景もあり、世界中にファンが多いモデルですね。

この両者の決定的な違いは「デジタル表示部」と、その「設計思想」にあります。

比較項目シチズン U822 (JV1005)セイコー アーニー (SNJ031)
デジタル表示MIP液晶(高解像度・高視認性)セグメント液晶(伝統的・小型)
機能性ワールドタイム, 発電履歴, 多機能アラームクロノグラフ, アラーム(機能はシンプル)
風防サファイアクリスタルハードレックス(ミネラルガラスの一種)
デザイン背景現代技術による「機能性」重視80年代デザインの「ストーリー性」重視

アーニーの魅力は、あの「80年代レトロフューチャー」なデザインと、「映画で使われた」というストーリー性です。デジタル表示が小さいのも、そのデザインの一部なんですね。

一方、U822は「現代の技術(MIP)による機能性」が最大の魅力です。デジタル部の視認性や機能性、そして風防の傷への強さ(サファイア)を求めるならU822、「レトロでアイコニックなデザインとストーリー」を求めるならアーニー、という選択になるかなと思います。

プロマスター ランド 歴代モデルとの比較

「歴代モデル」という点で見ると、前述のPMD56が「ランド アナデジ」の超ロングセラーとして存在しています。しかし、U822はPMD56の正統進化というよりは、「MIP液晶」という新しい武器を手に入れた、全く新しい系統のモデルだと捉えるべきですね。

「プロマスター ランド」というカテゴリー自体、実は非常に多様です。純粋なアナログの電波時計もあれば、シンプルなエコ・ドライブモデルもあります。その中で、U822は「アナデジ」かつ「MIP液晶」という、最も先進的でガジェット感の強いポジションを確立しようとしています。

カシオのG-SHOCKやプロトレックが「タフネス・アナデジ」市場を席巻する中で、シチズンは長らくPMD56という「国内・チタン・電波」のニッチで戦ってきました。しかし、U822は違います。

あえて「電波」と「センサー」を捨て、「視認性(MIP)」と「外装の質感(サファイア+ステンレス)」という、カシオの標準モデルがカバーしきれていなかった「プレミアムな実用性」の土俵で、グローバル市場に真っ向から勝負を挑んできたのがU822だ、と私は分析しています。

リセット・基準位置合わせの操作方法

U822はエコ・ドライブ搭載の多機能クオーツウォッチです。万が一、二次電池が完全放電してしまったり、強い衝撃や磁気の影響でアナログ針の指す位置と内部のデジタル時刻がズレてしまったりした場合、「リセット操作」や「基準位置合わせ」が必要になります。

これは購入後に「あれ、動かない?」と慌てないために、知っておくと安心な知識です。

U822の主なリセット・修正操作(簡易ガイド)

  • オールリセット (All Reset): 時計の動作が不安定な場合や、完全放電後に実行します。 Bボタン(中央右)とAボタン(右下)を同時に2秒以上長押しします。液晶が全点灯し、針が動き出したら完了です。
  • 基準位置の確認・修正 (Reference Position): アナログ針と内部時刻がズレた場合に必須の操作です。 Bボタン(中央右)を2秒以上長押ししてSETモードに入ります。Bボタンで修正したい針(時分針、秒針、モード針など)を選び、AボタンまたはCボタンを押して、針を正しい基準位置(全ての針が12時位置、または所定の位置)に動かします。

【重要】必ず取扱説明書をご確認ください

オールリセットを行うと、各種設定や時刻・カレンダー情報はすべて初期化(工場出荷状態)されます。リセット後は、必ず「基準位置の確認・修正」および「時刻・カレンダー合わせ」の手順が必要になります。

これはあくまで簡易的なガイドです。U822の操作は多機能ゆえに複雑です。実際の操作は、必ず付属の取扱説明書や、シチズンの公式サイトに掲載されている「Cal.U822」の操作説明書(PDF)を、お手元で確認しながら慎重に行ってください。

(公式情報は シチズンの公式サイト「取扱説明書(ガイド)」ページ などで確認できます。キャリバーNo.「U822」で検索してください)

総括:シチズン プロマスター ランドのムーヴメントU822の評価とMIP液晶の魅力

ここまで、シチズン プロマスター ランド U822の核心的な魅力から、競合モデルとの比較、そして購入前の重大な注意点までを詳しく見てきました。

U822は、「電波がない」「センサーがない」といった点を「欠点」と捉えるのではなく、それらを「あえて非搭載」にするという明確なトレードオフを選択することで、「視認性」と「堅牢性」という、フィールドウォッチの核となる性能を極限まで高めた、非常に戦略的なモデルだということが分かりますね。

最後に、シチズン プロマスター ランド U822はどんな人に最適なのか、そして逆にどんな人にはおすすめできないのかをまとめます。

U822が「おすすめできない人」

  • とにかく正確な時刻(電波時計)を求める人: U822は月差±15秒の標準的なクオーツです。1秒の狂いも許せない方は、電波時計のPMD56などを選ぶべきです。
  • 登山で高度や気圧を知りたい人: ABCセンサーは非搭載です。これらの機能が必須なら、カシオのプロトレック一択でしょう。
  • クロノグラフ(ストップウォッチ)を多用する人: デメリットで強調した通り、リアルタイム計測ができません。これは致命的な欠点になり得ます。
  • 軽くて小ぶりな時計が好きな人: U822は「大きく・厚く・重い」時計です。PMD56のようなチタン製の軽さを知っていると、その重さに驚くかもしれません。

U822が「最高の相棒」になる人

  • G-SHOCKやプロトレックを持っているが、風防(ミネラルガラス)に傷がつくのが気になっていた人。
  • カシオのセンサー機能(高度計、気圧計)は、自分にはオーバースペックだと感じていた人。
  • 直射日光の屋外(キャンプ、ハイキング、釣りなど)で、とにかく時刻がハッキリと見やすい時計を求めている人。(MIP液晶は最強です)
  • ロングセラーのPMD56のデザインは少し古く感じる、またはケースが小さすぎると感じていた人。
  • G-SHOCKの樹脂製とは違う、ツール感のある、重厚なステンレス製のアナデジウォッチが欲しい人。
  • クロノグラフ機能は、リアルタイム計測よりも「たまに使う程度」だという人。

これらの条件に「刺さる」方にとって、U822は他のどの時計にも代えがたい、完璧な選択肢になる可能性を秘めていると思いますよ。

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